いもうと | アマヤドリ

いもうと

大切な猫の夢をみた


久しぶりに会ったその子は私が顔を近付けると勢い良くそしてやさしく頬に脇腹を押しつける
いつもは可愛がりすぎる私を疎ましげに眺め伸ばした指先もスルリと躱して行ってしまうのに
体温がシマシマの毛から私の頬にうつるまでいつまでも
私を真ん丸な真っ黒いぬれた瞳で見上げる
「どこいってたの?」「やっと帰ってきたんだよね?」
私のこと、枕か鼠の玩具を振り回すヤツとしか思ってないクセに


でももうそれでどこにも行きたくなくなった
隣で温かいお日様のニオイのする背中を撫でていたかった

きみは何を考えていたの…?